猫アレルギーを持つ彼女は一定の距離で

知人に猫アレルギーを持つ大の猫好きがいるのだけれど、彼女の野良猫との戯れ方は独特だ。

触れられないのだから、戯れるという表現はあるいは違うかもしれない。

いや、あの互いを意識しまくっている瞳、それらを見れば戯れていると言っていいだろう。

ジーっと見て、仕上げはダンス。

彼女は踊るような性格の持ち主ではないので私は面食らう。

時折、猫と彼女の間を自転車が通ったりする。

決してリズミカルではない踊りは続く。

ちょっとブルース・リーのようである。

どちらからも、その一定の距離を縮めることはない。

気が済めば後退する。それは、猫からの場合もあるし、彼女からの場合もある。

私からということは、ない。





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