父性、いづこへ
中年期に向け時計の針がズンズンゆく今日この頃、とっくのとうに亡くなっている母方の祖父に顔が似てきたかなアと感じる。
自分でいうのも気色悪いが、やはり若い頃は尖りに尖って怖い顔をしていたからね(たれ目とはいえ)。多少はオダヤカになったかしらん。
私にとって最愛の人であった祖父に似るのは光栄なことだ。顔だけでなく、彼の持つ優しさ、勤勉さ、真面目さ、絶対感、そしてユーモアが似ればなと願うが、なかなか難儀だろう。酒が好きな所は訓練によって似せた。量を間違えなければそれはなかなか良いものである。
子供もいないのに自らの父性について考えてみる時があるのだけれど、10歳から母子家庭で育って以降その像たるものを持たない私には何の手がかりもなく、ゆえに手応えもない。
私の父は離婚してまもなく死んだらしい。
パンチパーマにサングラスでセカンドバッグを振りまわしていた男が、トラック野郎だった男が、真っ赤なハコスカを乗り回していた男が、この国の離婚の原因ランキング全てを制覇しぶっちぎりの総合優勝をしたような男が、ひとりになった途端に交通事故。聞くところによると、単身事故で何よりである。なにも死ぬこたないが、人にかけた迷惑は最小限といって差し支えないはず。であれば、悪くない最後かもしれない。
私も人の親になる日が来るのかなア。
もしそうなったとして、誰の顔を思い浮かべよう。
やっぱり、つるの剛士さんかなア。でもあんな元気ないわ( ´ ▽ ` )
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