ワシわいやっ!! 突然のピタリ賞

ちょこちょこっとしたものを買いに某スーパーマーケットへ行った今朝の話。

空いている店内をずんずんと行き、カゴに入れ入れこんなものかな。思ってレジへと赴くわけだ。

静かな休日である。

ポイントカードの有無を聞かれる。

渡す。

受け取る。

何が何円で何点〜。

何が何円で何点〜。

店員さんの声と電子音が心地よい。

「はい、以上で‥‥‥‥え!? お客様、お客様!」

店員さんの突然のギアチェンジに喫驚する私は、「え」としか云えない。


「お客様、千円。‥‥‥うん、千円ピッタリです! ピタリ賞ですよ! 税込ですよぉ! え、すごぉい!」


私は恥ずかしくて死にそうであった。

国際フォーラムで歌う米良さんかってくらい、その声店内に響きましたからね。

知らぬ間に私の後ろに並んでいらした老婦人も興奮しはじめ、アラお客様おめでとうございます何か貰わなくっちゃねと合いの手地獄&誘い笑いパレード。

当事者を尻目に二人の中高年女性が盛り上がっている。盛り上がっている。暇な時間帯、客は少ない。そして、盛り上がってゆく。「こんなぴったり、ここで働きだしてから初めて見ました〜!」「長生きするものねぇ」


「いや、ワシわいやっ!!」


放って置かれたような気持ちがいつしか芽生えていた。

ピタリ賞を当てたのは僕だよって。

褒めてって。

僕はここにいるよって。

もちろん言葉にはできないので、微笑むことで己を律する。


「では8番でお会計お願いします〜」


そして自動精算機という味気のなさ!

その機械の前に私は移動したのに、商品がこない。

まだ喋ってる。

商品が来る前に清算。

清算しレシートを機械から受け取って、ようやく来た商品。

ぴったり千円分の商品。

ピタリ賞といわれてもかのバラエティ番組のように特典などはない。

が、愛しく思える私の千円分の商品。


千円しか持っていなくてゴリッゴリに計算してのピタリ賞ではないことを記し、結びとする。




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