「楽しい人」vs.「おもしろい人」
どちらが強いか。これは分かりきったこと。
「楽しい人」です。
こちらの方が長く、どこででも、だれにでも、いつでもいつまでも必要とされる。いわば空気。いないと苦しい。そんな人のお葬式にはみんなこぞって殺到するでしょう。
「おもしろい人」これは刹那ですよ。
ずっといられても困るし、いてもいいけどずっと笑うことも、ずっと笑わせることだってできないでしょう。この人が亡くなっても、みんなピンとこないかもしれません。
ただ、おもしろい人が残した爪痕は私たちの心に腐ることなく刻まれている。まるで昨日のエピソードかのように、笑わせてもらったあの衝撃がある。我々が抱えるトラブルや不安、恐れを、一瞬にして手放せてもらえる笑いのパワーたるや。
友達には楽しい人がいいでしょう。
いつもニコニコで、BBQも大好きで、スポーツが好きかと思えば、音楽にも詳しかったり本も読む。トレンドには敏感、おしゃれでイケてるあの人はとても楽しい! 結構でございます。
おもしろい人とはほどよい距離感がいいでしょうね。
いつ自分がネタにされるかわかりませんし、笑ってはいけない状況の時に笑わせてくるのが相場。ボケたわけでないのにつっこまれる。カラオケに一緒に行けばモノマネオンステージで自分は目立てない。合コンに一緒に参加しても耳目を集めるのはその人。嗚呼。
「おもしろい人」は周囲を生かすことも殺すこともできる魔力を持っています。
「楽しい人」にはないでしょう。発見も、驚嘆も、疑問も哲学もなにもあったもんじゃない。
魔法使いのいない世界ほどつまらないものはない。
魔物のいない世界ほどおもしろくない世界はない。
「楽しい」から世界を奪い返す。私はそう決めました。
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