キャラクターに息を吹き込む
私の仕事のひとつに、キャラクターの中の人、というのがある。
「このプロジェクトにこういうキャラクターがいるんですけど、動かしてもらえませんか?」
という依頼。
二次元ではすでにデザインされているのだけれど、そのキャラクターで例えばSNSを発信したり、何か二次創作でアイデアを、あるいは文字どうり中の人として着ぐるみの中に入ってイベントに出て、なんていう話である。
なので、巷で見かけるキャラクターにはどうしても目が行くし、向こうからも向こうからも飛び込んでくる。魅力のあるもの、ないもの、それはどうしてもあるねえなんて日々思う。
いずれにしても、依頼があればその最大公約数を求めていくことになって、なんていうかこう私としては楽しい。と同時に、非常に難しさも感じる。
魅力のあるキャラクターには共通点があった。
それは、二次元として販促物に載る前、その事業者の従業員や関係者の大半に大反対を食らっているということ。決裁者の独断か、生み出した人の狂気かわからないが、そういうものはとてもいい! 実に個性的で、差別化もある。いい意味でキモい。
一方で、みんなが絶賛する、みんなが可愛いと言うなどというシロモノは、うーん。キモくない。面白みはあまりない。面白さがいらない、ファニーなんて不要、ということであれば、私に依頼や相談することなく、宰相がご自分で操縦すればいいのである。
まあ、なんであれ、いや、何はともあれ、キャラクターを生み出すこと自体が素晴らしい。
その存在自体が素晴らしい。
キャラクターをつくる人に悪い人はいない。
皆それぞれの情熱が、あるいは愛が、といいましょうか。
それを吸い込んで、また吹き込むのは、楽しい。
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